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カンジダ症(侵襲性)

(カンジダ症,モニリア症)

執筆者: Sanjay G. Revankar, MD, Wayne State University School of Medicine ; Jack D. Sobel, MD, Wayne State University School of Medicine

カンジダ症はCandida属真菌(最も頻度が高いのはC. albicans)による感染症であり,皮膚粘膜病変や真菌血症,ときに複数部位の病巣感染症として発症する。症状は感染部位に依存し,具体的には嚥下困難,皮膚粘膜病変,失明,腟症状(そう痒,灼熱感,分泌物),発熱,ショック,乏尿,腎機能停止,播種性血管内凝固症候群などがみられる。診断は,病理組織学的検査および本来は無菌の部位からの培養によって確定される。治療はアムホテリシンB,フルコナゾール,キャンディン系薬剤,ボリコナゾール,またはposaconazoleによる。

(Infectious Diseases Society of AmericaのGuidelines for treatment of candidiasisも参照。)

Candida属真菌は消化管のほか,ときに皮膚にも生息する共生菌である( カンジダ症(粘膜皮膚) : 病因)。他の全身性真菌症とは異なり,カンジダ症は内因性菌が原因である。ほとんどの感染症はC. albicansによるものであるが,C. glabrata(かつてのTorulopsis glabrata)やC. albicans以外のCandida属真菌が真菌血症,尿路感染症,ときにその他の病巣感染に関与する例が増加している。C. glabrataは他の菌種よりフルコナゾールに対する感受性が低く,C. kruseiはそもそも耐性である。

Candida属真菌は,重大な全身性真菌感染症の約80%を占め,易感染性患者の真菌感染症で最も頻度の高い原因菌である。カンジダ感染症は,最も頻度の高い院内感染症の1つである。

口腔および食道を侵すカンジダ症は,AIDSにおける非常に特徴的な日和見感染症である。HIV感染患者では皮膚粘膜カンジダ症が高頻度に認められるが,他に特異的な危険因子が存在しない限り,血行性播種はまれである。好中球減少のある患者(例,癌化学療法中の患者)は,生命を脅かす播種性カンジダ症を発症するリスクが高い。

長期入院中には,好中球減少のない患者にカンジダ血症が発生することがある。この血流感染症には,しばしば以下の因子のいずれかまたは複数が関連する:

  • 中心静脈カテーテル

  • 大手術

  • 広域抗菌薬による治療

  • 高カロリー輸液

静脈ラインと消化管が通常の進入門戸である。カンジダ血症は,しばしば入院を長期化して併発症による死亡率を上昇させる。長期化,または無治療のカンジダ血症は,心内膜炎または髄膜炎のほか,皮膚,皮下組織,骨,関節,肝臓,脾臓,腎臓,眼,その他の組織の局所病変をもたらす。一般的に心内膜炎には,静注薬物の乱用,弁置換術,または静脈カテーテル留置による血管内外傷が関連している。

播種性カンジダ症のいずれの病型も,重篤かつ進行性で致死性の可能性があると考えるべきである。

症状と徴候

食道カンジダ症は嚥下困難として生じる場合が最も多い。

カンジダ血症は,通常発熱を引き起こすが,特異的症状はない。一部の患者は,細菌性敗血症に類似する症候群を発症して,ショック,乏尿,腎機能停止,および播種性血管内凝固症候群などの劇症経過をたどる。

カンジダ性眼内炎は,最初は無症候性で進行する白い網膜病変として始まり,硝子体を不透明化して場合によっては不可逆性瘢痕化および失明を引き起こす。好中球減少のある患者では,ときに網膜出血もみられるが,実際の眼の感染はまれである。

丘疹結節状の皮膚病変も発生することがあり,特に好中球減少のある患者で多く,その場合は他臓器への広範な血行性播種が起きていることを意味する。その他の病巣感染症状は,侵された臓器による。

診断

  • 病理組織学的検査および真菌培養

  • 血液培養

  • 血清β-グルカン検査

Candida属真菌は共生菌であるため,喀痰,口腔,腟,尿,便または皮膚由来の培養は必ずしも侵襲性,進行性感染を意味しない。特徴的な臨床病変も認められるはずであり,病理組織学的な組織侵襲の所見(例,組織検体中の酵母,仮性菌糸,または菌糸)を立証して他の病因を除外しなければならない。血液,髄液,心膜,心嚢液,生検組織など,本来は無菌の部位から採取された検体での培養陽性は,全身治療の必要性を示す確定的な証拠となる。

血清β-グルカンは侵襲性カンジダ症の患者でしばしば陽性となり,逆に陰性であれば,全身性感染の可能性が低いことを示す。

全てのカンジダ血症患者に対して眼内炎を調べるために眼科診察が推奨される。

治療

  • 重症例および重篤例とC. glabrataまたはC. kruseiの感染が疑われる場合にはキャンディン系薬剤

  • 患者が臨床的に安定している,またはC. albicansC. parapsilosis感染が疑われる場合にはフルコナゾール

  • 代替に,ボリコナゾールまたはアムホテリシンB

侵襲性カンジダ症患者において,易発症性の状態(例,好中球減少,免疫抑制,広域抗菌薬の使用,高カロリー療法,留置ラインの存在)は,可能な限り改善または管理を行うべきである。好中球減少のない患者では,静脈カテーテルを抜去すべきである。

キャンディン系薬剤が適応となる場合(患者が中等症または重篤[多くは好中球減少のある患者],またはC. glabrataC. krusei感染が疑われる場合),以下の薬剤のうちの1つを使用する。カスポファンギンは70mg,静注,1日1回の負荷投与に続いて50mg,ミカファンギンは100mg,静注,1日1回,anidulafunginは200mg,静注,1日1回の負荷投与に続いて100mg,静注,1日1回。

フルコナゾールの適応がある場合(患者の状態が臨床的に安定している場合およびC. albicansまたはC. parapsilosis感染症が疑われる場合),800mg(12mg/kg),静注または傾向,1日1回の負荷投与に続いて400mg(6mg/kg),1日1回。

治療は血液培養陰性から14日間継続する。

食道カンジダ症は,フルコナゾール200~400mg,経口または静注,1日1回またはイトラコナゾール200mg,経口,1日1回で治療する。これらの薬剤が無効の場合と感染が重度の場合には,ボリコナゾール4mg/kg,経口または静注,1日2回,posaconazole 400mg,経口,1日2回,あるいはキャンディン系薬剤のいずれかを選択する。治療は14~21日間継続する。

要点

  • 他の真菌感染症と異なり,侵襲性カンジダ症は,通常内因性菌により生じる。

  • 侵襲性感染症は,典型的には易感染性および/または入院患者で起こり,特に手術を受けたり,広域抗菌薬を投与されたりしている場合である。

  • 侵襲性感染を疾患を起こしていない定着と鑑別するには,本来無菌の部位から採取された検体(例,血液,髄液,組織生検検体)で培養陽性を確認することが必要であるが,侵襲性カンジダ症の患者では血清β-グルカンがしばしば陽性となる。

  • 重症例および重篤例とC. glabrataまたはC. kruseiの感染が疑われる場合には,キャンディン系薬剤を使用する。

  • 患者が臨床的に安定している,またはC. albicansC. parapsilosisの感染が疑われる場合にはフルコナゾールを使用する。

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