腎臓には、血液のろ過を担っている糸球体と呼ばれる組織が左右でそれぞれ約100万個ずつ存在します。糸球体は、小さな穴があいた微細な血管(毛細血管)で形成された顕微鏡レベルの微小なかたまりです。この微細な血管は、内部を流れる血液中の水分が周囲に漏れ出るようにできていて、漏れ出た水分は尿細管という微細な管に流れ込みます。尿細管は化学物質やその他の物質を分泌したり吸収したりして、この水分から尿を作ります。尿は、その後、尿細管から次第に大きな管を通って、最終的に腎臓から流れ出します。正常な状態では、このろ過の仕組みによって水分と小さな分子だけが尿細管に漏出します(タンパク質や血液の細胞[血球]はほとんど漏出しません― 無症候性タンパク尿・血尿症候群)。腎臓の病気は、腎臓の中で異常が発生する部位とその発生の仕組みによって、次の3種類に分類することができます。