通常の吸気性喘鳴は、ある程度離れても十分に聞こえます。この音は、狭くなった上気道を乱気流のような空気が流れることで生じます。
小児では以下の原因が考えられます。
異物の吸入
成人では以下の原因が考えられます。
腫瘍
上気道の腫れ(浮腫)
異物の吸入(ときに)
安静時から 息切れ 息切れ 息切れ(医師は呼吸困難と呼びます)とは、息がしにくくなる不快な感覚のことです。息切れをどのように感じ、それをどのように表現するかは、原因によって異なります。 通常、運動をしているときや、標高が高い所では呼吸が速く深くなりますが、それで不快になることはまずありません。肺の病気であれ他の病気であれ、多くの病気では、安静時でも呼吸数が増加します。例えば、熱があると、一般に呼吸が速くなります。... さらに読む を引き起こしている吸気性喘鳴は、緊急の治療を要する事態です。
例えば 喉頭がん 喉頭がん 喉頭がんは、喉頭に発生したがんのことです。 声がかれたり、首にしこりができたり、呼吸困難やものを飲み込みにくくなる(嚥下困難)などの症状が出たりします。 診断には生検が必要です。 予後(経過の見通し)はがんの進行の程度によって変わります。 治療としては通常は手術や放射線療法を行いますが、ときに化学療法が行われることもあります。 さらに読む などの頭頸部の腫瘍によって上気道がふさがれている場合、吸気性喘鳴が生じる可能性があります。
両側の声帯が麻痺すると、麻痺した声帯の間の隙間が非常に狭くなり、気道の幅が不十分になるため、軽い運動でも呼吸困難と、呼吸のたびに高い音の雑音(吸気性喘鳴[stridor])が生じます。
短時間の吸気性喘鳴は、食べもののかけらや少量の水が肺に入ることで発声器(喉頭)が収縮したときに生じる可能性があります。患者が異物を吸入した可能性があり、病院の外にいる場合、近くに訓練を受けた人がいれば、異物の排出を介助することができます。例えば、成人であれば、介助者は ハイムリッヒ法 窒息 窒息を緩和する手技により、多くの命が救われています。成人の窒息で最も多いのは、大きな肉のかたまりなど、食べものをのどに詰まらせることです。嚥下反射機能が十分に発達していない乳児は、ピーナツやアメなど小さな丸い食べものでのどを詰まらせます。小児、特によちよち歩きの年代では特に、口に入れた風船、おもちゃ、硬貨などの食べられないものや、食べもの(特にホットドッグや丸いアメ、ナッツ、豆、ブドウなどの丸くて滑らかなもの)をのどに詰まらせることがあ... さらに読む (腹部突き上げ法)を用いてもよいでしょう。
通常の病院や救急医療機関で吸気性喘鳴をきたした患者には、口や鼻から気管にチューブを通したり(気管挿管)、気管を小さく切開してそこからチューブを通すことにより(気管切開)、気管を閉塞している異物の先に空気を送り、窒息を防ぐ方法がとられることがあります。
通常は、気管挿管を行う際に医師が直接上気道を観察できるため、原因は明らかになります。気管挿管を行わない場合は、通常、鼻から上気道へ内視鏡を挿入する方法(上咽頭内視鏡検査と呼ばれる方法)で、診断が下されます。