せん妄 せん妄 せん妄は、突然発生して変動する精神機能の障害で、通常は回復可能です。注意力および思考力の低下、見当識障害、覚醒(意識)レベルの変動を特徴とします。 多くの病気、薬剤、毒物などが、せん妄の原因になりえます。 診断は症状と身体診察の結果に基づいて下され、原因を特定するために血液検査、尿検査、画像検査を行います。... さらに読む と 認知症 認知症 認知症とは、記憶、思考、判断、学習能力などの精神機能が、ゆっくりと進行性に低下していく病気です。 典型的な症状は、記憶障害、言語や動作の障害、人格の変化、見当識障害、破壊的または不適切な行動などです。 症状が進行すると普段の生活が送れなくなり、他者に完全に依存するようになります。... さらに読む は、認知機能障害(正常に知識を獲得、保持、使用できなくなる状態)の最も一般的な原因です。
せん妄と認知症は同時に発生することもありますが、この2つはまったく別の病態です。
せん妄は、突然発生して精神機能の変動をもたらしますが、通常は回復します。
認知症は、徐々に発生して、ゆっくり進行し、通常は不可逆的です。
また、せん妄と認知症では、精神機能に対する影響が異なります。
せん妄では主に注意力が障害されます。
認知症では主に記憶力が障害されます。
せん妄も認知症もどの年齢層の人にも起こりえますが、高齢者では 加齢に伴う脳の変化 神経系への加齢の影響 ( 脳と神経系の老化も参照のこと。) 脳の機能は通常、小児から成人へ、さらに老人へと年齢を重ねるにつれて変化します。小児期には思考力と判断力が着実に向上するため、小児はより複雑な技術を次々と習得していくことができます。 成人期の大部分では、脳の機能は比較的安定しています。 一定の年齢を超えると、個人差はあるものの、脳の機能は低下していきま... さらに読む が生じるため、特に多くみられます。