口の端や唇がひび割れて痛み、頭部の皮膚にうろこ状の剥がれやすい斑点ができ、口と舌が紫紅色になります。
診断は、症状、尿検査の結果、リボフラビンのサプリメントに反応することに基づいて下されます。
高用量のリボフラビンのサプリメント(通常は服用)によって、リボフラビン欠乏症を改善できます。
ビタミン ビタミンの概要 ビタミンは健康的な食事に不可欠です。ほとんどのビタミンについて、健康な人の大半が健康を維持するのに必要な1日当たりの量を表した推奨量(RDA)が設定されています。一部のビタミンには、安全な上限量(耐容上限量)が決められています。この上限を超えて摂取すると、有害な影響(毒性)が出るリスクが高まります。... さらに読む の一種であるリボフラビン(ビタミンB2)は、エネルギーを生産するための炭水化物の処理(代謝)とアミノ酸(タンパク質の構成成分)の代謝に必要不可欠です。また、口の内側などの粘膜を健康に保つ上でも役立ちます。リボフラビンに毒性はないため、リボフラビンを大量に摂取しても心配はありません。牛乳、チーズ、レバー、肉、魚、卵、栄養強化シリアルなどには、リボフラビンが豊富に含まれています。
リボフラビン欠乏症の原因
リボフラビン欠乏症は、通常以下のような原因で生じます。
肉、栄養強化シリアル、乳製品を十分に摂取していないため
以下のような場合にリボフラビン欠乏症のリスクが高くなります。
反復性の 下痢 成人の下痢 下痢は、便の量や水分、排便回数が増加することです。( 小児の下痢も参照のこと。) 排便回数が多いだけでは、下痢を決定づける特徴とはいえません。正常な状態で1日に3~5回排便する人もいます。野菜に含まれる食物繊維をたくさん食べる人は、1日に約500グラム以上の便を排泄することがありますが、この場合の便はよく固まっていて、水様便ではありません。下痢になると腸内ガス、差し込むような腹痛、便意の切迫を伴うことが多く、下痢が感染性微生物や有害物質... さらに読む 、 肝疾患 肝疾患の概要 肝疾患は、様々な形で現れます。特徴的な症状や徴候には、以下のものがあります。 黄疸(皮膚や白眼の部分が黄色くなる症状) 胆汁うっ滞(胆汁の流れの減少または停止) 肝腫大(肝臓が大きくなる) 門脈圧亢進症(腸から肝臓に向かう静脈の血圧が異常に高くなること) さらに読む 、慢性 アルコール使用障害 飲酒 アルコール(エタノール)は、中枢神経系の機能を抑制します(脳と神経系の働きを遅くします)。急激または定期的に大量の飲酒をすると、臓器の損傷、昏睡、死亡などの健康上の問題を引き起こす可能性があります。 アルコール関連障害の発症には遺伝的な特性や個人的な性質が関与している場合があります。 アルコールを飲みすぎると、眠くなったり攻撃的になり、運動協調や精神機能が損なわれたり、仕事、家族関係、その他の活動が妨げられたりします。... さらに読む などの慢性疾患
リボフラビン欠乏症の症状
リボフラビン欠乏症の症状は様々です。最もよくみられるものとして、顔色が青白くなること、口の端や唇がひび割れて痛むことがあります。口の中と舌がヒリヒリして、舌は紫紅色になることがあります。
脂ぎったうろこ状の赤い(脂漏性)斑が鼻の周りや鼻と唇の間、耳やまぶた、陰部に現れることがあります。
リボフラビン欠乏症の診断
身体診察
尿検査
リボフラビンのサプリメントを摂取すると症状が緩和される
典型的な症状がみられ、他のビタミンB群の欠乏症もみられる場合には、リボフラビン欠乏症が疑われます。リボフラビン欠乏症の診断は、症状と全身的な 低栄養 症状 低栄養とは、カロリーまたは1つ以上の必須栄養素が不足している状態です。 低栄養は、食べものを手に入れたり調理したりできない、食べものを食べたり吸収したりしにくくなる病気がある、またはカロリーの必要量が大幅に増えているということが原因で発生することがあります。 低栄養は、多くの場合、見た目にも明らかです。低体重で、しばしば骨が突き出ており、... さらに読む の証拠に基づいて下されます。
診断は、尿中に排泄されるリボフラビンの測定や、リボフラビンのサプリメントの投与(リボフラビン欠乏症が原因であれば症状が緩和される)によって確定します。
リボフラビン欠乏症の予防と治療
リボフラビンのサプリメントまたは総合ビタミン剤
ときにリボフラビンの注射
予防策として、血液透析か腹膜透析を受けている場合、または吸収不良を生じる病気がある場合は、リボフラビンのサプリメントを摂取するか、総合ビタミン剤を毎日摂取すべきです。
リボフラビン欠乏症のある人には、症状がなくなるまで高用量のリボフラビンが経口で与えられます。他のビタミンB群のサプリメントも摂取します。
ときに、リボフラビンは、総合ビタミン剤に含まれるビタミンの1つとして、静脈内または筋肉内への注射で投与されることがあります。