ショウガ

ショウガは根（根茎）をもつ顕花植物で、長いあいだ料理や薬に用いられ、抗酸化作用や抗炎症作用をもつと考えられています。抗酸化物質は正常な細胞活動の副産物であるフリーラジカルによる損傷から細胞を保護します。茎にはジンゲロールと呼ばれる物質が含まれており、ショウガに独特の風味と匂いを与えています。ショウガオールは別の種類の有効成分です。ショウガは生もしくは乾燥させて、またはジュースや油にして用いることができます。

（サプリメントの概要も参照のこと。）

ショウガは多くの場合、妊娠による吐き気や嘔吐、術後の吐き気や嘔吐、乗り物酔い、月経痛、変形性関節症を緩和するために摂取されます。2型糖尿病の管理に役立てるためにショウガを摂取する人もいます。

ショウガには妊娠による吐き気、術後の吐き気や嘔吐に効果があることを示す複数の科学的研究がありますが、化学療法が原因の吐き気に対しての効果は示されていません。

ショウガが変形性関節症による膝痛と股関節痛を中等度に軽減することを示した研究もありますが、その効果を確認していない研究もあります。

他の病気が原因ではない月経痛（機能性月経困難症）について、研究ではショウガパウダーの有益性の可能性が示されています。

2型糖尿病に対するショウガの評価が現在行われており、新たな科学的根拠からHbA1C（ヘモグロビンの一種で、平均血糖値を示す）のわずかな低下が示されています。

たいていの場合、ショウガは有害ではありませんが、食べたときに灼熱感を覚える人もいます。消化管の不快感が生じたり、口の中で嫌な味がすることもあります。ショウガは出血のリスクを高めることがあります。

血栓予防薬を使用している人がショウガを摂取する場合には、出血や血栓の発生を注意深く観察する必要があります。

ショウガは比較的安全であり、妊娠による吐き気、術後の吐き気や嘔吐に効果的な場合があります。またショウガは、機能性月経困難症による月経痛の緩和に役立つ可能性もあります。