中耳は、鼓膜の奥にある空間です。中耳には、鼓膜の振動を内耳の神経に伝える3つの小さな骨があります。
耳管は、のどの奥と中耳をつないでいます。
外耳道は、耳の外と鼓膜をつないでいる管です。
耳の内部
滲出性中耳炎とはどのような病気ですか？
滲出性中耳炎とは、中耳炎になった後に、中耳の中に液体がたまる病気です。
これは中耳炎の後に起こる可能性がありますが、滲出性中耳炎でたまる液体には感染はありません。
滲出性中耳炎はどの年齢層でも起こりますが、子どもで最も多くみられます。
耳がつまった感じがしたり、音が聞こえにくくなったりすることがあります。
医師は耳の中を見たり、音波の検査をしたりして、中に液体があるかどうかを調べます。
液体を外に出すために、医師が鼓膜に穴をあけなければならない場合があります。
滲出性中耳炎の原因は何ですか？
完全に治っていない急性中耳炎
耳管の問題
異常がなければ、何かを飲み込む動作をすると、中耳の中の圧力が下がります。飲み込みの動作をすると、耳管が開きますが、これは1分に3～4回しか起こりません。耳管がふさがっていると、中耳の中に液体がたまり、鼓膜が正しく動くことができなくなります。
耳管のふさがりは、かぜやアレルギーによって耳管の中やアデノイドが腫れると起こります。アデノイドとは、感染から体を守るのを助ける組織のかたまりで、耳管の開口部のすぐ近くにあります。
滲出性中耳炎にはどのような症状がありますか？
耳がつまった感じがする
つばなどを飲み込むと、ポンという音やパリパリという音がする
音が聞こえにくくなる
ときに、体のバランスがとれなくなる
小さな子どもに難聴を伴う滲出性中耳炎が長い間続いていると、言葉を発する方法を習得するのが難しくなることがあります。滲出性中耳炎もまた、その後に中耳炎にかかるリスクを高めます（急性中耳炎）。
医師はどのようにして、私の子どもが滲出性中耳炎かどうかを判断しますか？
医師は次のことをします：
手持ち式のライトであなたのお子さんの耳を見る
液体がないか調べる音波検査をする（ティンパノメトリー検査といいます）
聴覚検査をする
医師は滲出性中耳炎をどのように治療しますか？
ほとんどの人は、治療をしなくても、よくなります。滲出性中耳炎には抗菌薬は効きません。
口を閉じて、鼻をつまみながら息をはき出そうとすることで、耳のつまった感じを短い間だけ、やわらげることができます。
症状が3カ月以上続く場合は、次の治療が必要かもしれません：
鼓膜に穴をあけて、液体が外に出ていくようにする
細いチューブを鼓膜の奥に入れて、中の空気をぬき、また液体がたまらないようにする
手術をしてアデノイドを取り除く
