アミロイドーシスは,異常凝集したタンパクからなる不溶性線維の細胞外蓄積を特徴とする多様な疾患群である。これらのタンパクは局所に蓄積してほとんど症状を引き起こさない場合もあるが,全身の複数の臓器に蓄積して,重度の多臓器不全をもたらすこともある。アミロイドーシスは原発性の場合と,種々の感染症,炎症,または悪性疾患に続発する場合とがある。 診断は罹患組織の生検による;アミロイド原性タンパクの病型の判別には,種々の免疫組織学的手法および生化学的手法が用いられる。治療はアミロイドーシスの病型によって異なる。
カルチノイド腫瘍は,消化管(90%, 小腸腫瘍 ),膵臓,および肺気管支( 気管支カルチノイド )の神経内分泌細胞から発生する。消化管カルチノイド全体の95%以上はわずか3カ所,すなわち虫垂,回腸,直腸から生じる。カルチノイドはしばしば良性であるか,侵襲性であっても限局的であるが,回腸および気管支のカルチノイドは悪性であることが多い。
ポルフィリン症はヘム生合成経路における遺伝的または後天的な酵素欠損に起因する。これらの欠損によりヘム前駆体が蓄積し,毒性が生じる。ポルフィリン症はどの酵素が欠損しているかによって定義される。主な臨床像は,内臓神経異常(急性ポルフィリン症)と皮膚光線過敏症(皮膚ポルフィリン症)の2つである。
甲状腺は前頸部の輪状軟骨直下に位置し,峡部で連結された2つの葉からなる。甲状腺濾胞細胞は,テトラヨードサイロニン(サイロキシン,T 4 )およびトリヨードサイロニン(T 3 )の2種類の主要甲状腺ホルモンを産生する。これらのホルモンは,核内受容体に結合し幅広い遺伝子産物の発現を変化させることによって実質的に全身のあらゆる組織の細胞に作用する。甲状腺ホルモンは,胎児や新生児では脳および身体の組織の正常な発育に必要とされ,あらゆる年齢層でタンパク,炭水化物,および脂肪の代謝を調節する。
代謝過程では酸,およびより少量の塩基が持続的に産生される。水素イオン(H + )は特に反応性が高い;これは負電荷をもつタンパクに接着し,高濃度ではタンパク全体の電荷,構造,機能を変えてしまうこともある。細胞の機能を維持するために,生体は血中H + 濃度を狭い範囲内に維持する精巧な機序を備えており,その範囲は典型的には37~43nmol/L(pH 7.37~7.43,ここでpH = − log[H + ]),理想値は40nmol/L(pH = 7.40)である。この機序が障害されると臨床的に重大な影響が生じる可能性がある。
脂質は食物から吸収される,または肝臓で合成される脂肪である。トリグリセリド(TG)およびコレステロールが疾患に最も寄与するが,全ての脂質が生理的に重要である。TGの主要な機能は,脂肪細胞および筋細胞にエネルギーを貯蔵することである;コレステロールは細胞膜,ステロイド,胆汁酸,およびシグナル分子の構成成分であり,至るところに存在する。全ての脂質は疎水性で大半は血液に溶けず,したがってリポタンパクと呼ばれる親水性の球体構造に取り込まれて輸送される必要があり,リポタンパクの表面タンパク(アポタンパク,またはアポリポタンパク)は脂質を処理する酵素の補因子およびリガンドである( 脂質代謝に重要な主要アポタンパクおよび酵素 を参照)。リポタンパクは,大きさおよび比重(脂質とタンパクとの比と定義される)によって分類され,低比重リポタンパク(LDL)高値および高比重リポタンパク(HDL)低値は動脈硬化性心疾患の主要な危険因子であることから重要とされる( アテローム性動脈硬化 )。
多腺性機能不全症候群(PDS)は,共通の原因による,数種の内分泌腺機能の連続的または同時的な低下を特徴とする。病因は自己免疫性であることが最も多い。機能不全の組合せによって,3型のうちの1つに分類される。診断には,ホルモン値および障害された内分泌腺に対する自己抗体の測定が必要である。治療は欠損または欠乏しているホルモンの補充およびときに免疫抑制薬により行う。
低ナトリウム血症とは,血清ナトリウム濃度が136mEq/L未満に低下することであり,溶質に対する水分の過剰が原因である。一般的な原因には,利尿薬の使用,下痢,心不全,腎疾患などがある。特に急性低ナトリウム血症では,臨床症状は主として神経学的なものであり(浸透圧によって水分が脳細胞内に移動し,浮腫を引き起こすことが原因),頭痛,錯乱,および昏迷などがみられる;痙攣発作や昏睡が生じることがある。診断は血清ナトリウムの測定による。血清および尿の電解質や浸透圧が原因の解明に有用である。治療として,水分摂取制限,水分排出促進,欠乏しているナトリウムの補充,および基礎にある原因の是正などを行う。
内分泌系は,内分泌腺内の特定の種類の細胞から血流中に放出されるホルモンによって,様々な臓器の機能を調整する。一度循環血中に入ると,ホルモンは標的組織の機能に影響を及ぼす。分泌元の臓器の細胞に影響するホルモンもあれば(パラクリン作用),同じ種類の細胞に作用するホルモンもある(オートクリン作用)。ホルモンは,種々の大きさのペプチド,ステロイド(コレステロール由来),またはアミノ酸誘導体である。