ブラキシズムとは歯のクレンチング,またはグラインディングを意味する。ブラキシズムは歯冠のエナメル質および象牙質をすり減らし最終的には磨耗させ,金属およびセラミッククラウンにダメージを与え,また歯の動揺を引き起こすことがある。胃食道逆流症(GERD— 胃食道逆流症 (GERD) )および/または閉塞性睡眠時無呼吸症がある患者において歯の磨耗と酸蝕はしばしば悪化傾向をみせる( 閉塞性睡眠時無呼吸症 )。ブラキシズム三徴候は,覚醒により誘発されるグラインディング,気道に関連する睡眠障害,睡眠に関連する胃食道逆流症であると記載されている。
医師は常に口腔の診察を行い,口腔内の重篤な疾患,特に癌の可能性を認識できるようにすべきである。しかし,歯の問題はもちろん,癌以外の変化の評価には歯科医師へのコンサルテーションが必要である。同様に,口腔乾燥症や口腔内,顔面または頸部の原因不明の腫脹または疼痛も歯科医師へのコンサルテーションが必要となる。顔面異常の小児(治療が必要な歯科異常も伴う可能性がある)も歯科医師の評価を受けるべきである。FUO(不明熱)や原因不明の全身感染においては,歯科疾患が考慮されるべきである。歯科のコンサルテーションは頭頸部の放射線療法に先立って行う必要があり,また化学療法施行前にも行うのが望ましい。
歯周炎(歯槽膿漏)は内在性のプラークバイオフィルムの日和見感染による歯肉の慢性炎症性疾患である。通常,歯肉炎の悪化した状態として発現し,無処置の場合,歯牙の動揺と喪失を引き起こす。その他の症状は,HIVに感染している患者か膿瘍がある患者を除いてまれであり,疼痛や腫脹が一般的である。診断は,視診,歯周探査,X線写真に基づく。処置は,歯肉縁下に及ぶクリーニングと家庭での徹底した口腔衛生プログラムである。進行例では,抗菌薬や手術が必要となる場合がある。