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X連鎖無ガンマグロブリン血症

(ブルトン病)

執筆者:

James Fernandez

, MD, PhD, Cleveland Clinic Lerner College of Medicine at Case Western Reserve University

レビュー/改訂 2023年 1月
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X連鎖無ガンマグロブリン血症は遺伝性の免疫不全疾患で、X(性)染色体上の遺伝子の突然変異に起因しています。この病気の患者にはB細胞(リンパ球の一種)がなく、抗体(免疫グロブリン)の量が極めて少ないか、まったくみられません。

抗体 抗体 体の防衛線( 免疫系)の一部には 白血球が関わっていて、それらの白血球は血流に乗って体内を移動して組織の中に入り込み、微生物などの異物を見つけ出して攻撃します。( 免疫系の概要も参照のこと。) この防衛線は以下の2つの部分で構成されています。 自然免疫 獲得免疫 獲得免疫(適応または特異免疫)は、生まれたときには備わっておらず、後天的に獲得されるものです。獲得のプロセスは、免疫系が異物に遭遇して、非自己の物質(抗原)であることを認識した... さらに読む 抗体 (免疫グロブリン)は感染、がん、異物などから体を守るために免疫系が作り出す物質です。抗体は B細胞 B細胞 体の防衛線( 免疫系)の一部には 白血球が関わっていて、それらの白血球は血流に乗って体内を移動して組織の中に入り込み、微生物などの異物を見つけ出して攻撃します。( 免疫系の概要も参照のこと。) この防衛線は以下の2つの部分で構成されています。 自然免疫 獲得免疫 獲得免疫(適応または特異免疫)は、生まれたときには備わっておらず、後天的に獲得されるものです。獲得のプロセスは、免疫系が異物に遭遇して、非自己の物質(抗原)であることを認識した... さらに読む B細胞 と呼ばれる白血球の一種から生産されます。免疫グロブリンの1種類以上の欠損により重篤な感染のリスクが高まります。

X連鎖無ガンマグロブリン血症の症状

生後約6カ月間は、母親から受け取った免疫グロブリンが乳児を感染症から守っています。しかし、この母親の免疫グロブリンは生後6カ月頃から減り始めるため、この病気の乳児では、せきや鼻の感染症(鼻炎)のほか、耳、皮膚、副鼻腔、肺などの感染症を繰り返すようになります。通常これらの感染症は、肺炎球菌、レンサ球菌、ヘモフィリス属(Haemophilus)の細菌(インフルエンザ菌など)によるものです。通常は起こらないようなウイルス感染が脳にみられることもあります。

扁桃は非常に小さく、正常では存在する免疫グロブリンを作り出すB細胞がないため、リンパ節が発達しません。

脳に感染が起きた場合を除き、早期の診断と治療により、多くの場合、寿命に影響はありません。

X連鎖無ガンマグロブリン血症の診断

  • 血液検査

  • ときに遺伝子検査

免疫グロブリンの量とB細胞の数を測定するため血液検査を行います。

遺伝子検査は、X連鎖無ガンマグロブリン血症の診断を確定するために行われることがありますが、通常は必要ではありません。近親者に対する検査が推奨されています。

X連鎖無ガンマグロブリン血症の治療

  • 免疫グロブリン製剤

  • 抗菌薬

不足している抗体を補い感染症の予防を助けるために、生涯にわたって免疫グロブリン製剤(免疫系が正常な人の血液から採取した抗体)が投与されます。免疫グロブリン製剤は静脈内または皮膚の下に注射します。

細菌感染が起きた場合は速やかに抗菌薬を投与し、継続的に投与することもあります。

X連鎖無ガンマグロブリン血症の患者には、弱毒化された生きた微生物(ウイルスや細菌)を含有するワクチンは接種されません。そのようなワクチンには、ロタウイルスワクチン、麻疹・ムンプス・風疹混合ワクチン、水痘ワクチン、水痘帯状疱疹ワクチンの一種、BCG(カルメット-ゲラン桿菌)ワクチン、および鼻腔スプレーで投与するインフルエンザワクチンなどがあります。

これらの処置にもかかわらず、副鼻腔や肺の慢性感染症が頻繁に起こります。

さらなる情報

以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。

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