変形と異栄養症 爪の変形、異栄養症、変色 変形と異栄養症という用語は、しばしば同じ意味で使われ、医師も同じ意味で使うことがありますが、その意味は少し異なります。 変形:爪の形状の変化 異栄養症:爪の質感か色またはその両方の変化 医師は変形よりも異栄養症という用語をよく使う傾向があります。(... さらに読む 、 けが 手足の爪の損傷 手足の指の爪はけがによって損傷を受けることがあります。 手足の指の軽いけがでも、それにより爪に変化が起きることがあります。 爪床(爪甲の下にあって爪を指に接着している軟部組織)に重度の損傷、特に挫滅損傷が生じると、爪が変形したまま元に戻らない場合がよくあります。このリスクを減らすには、損傷を直ちに修復する必要があり、それには爪の除去が必要... さらに読む 、感染症、 陥入爪 陥入爪 陥入爪(かんにゅうそう)とは、爪の縁が周囲の皮膚に食い込んだ状態をいいます。 ( 爪の病気の概要も参照のこと。) 変形した足の指の爪が皮膚に食い込んだり、爪の周囲の皮膚が異常に速く成長して爪の一部を巻きこんだりすると、陥入爪になります。足に合わない窮屈な靴を履くことや、爪を水平に切らずに角を丸くカーブして切ることで、陥入爪が発症したり、悪... さらに読む など、爪に生じる病気はたくさんあります。感染症は爪のあらゆる部分に生じ、爪の外観を変えることもあれば、変えないこともあります。爪の感染症は、ほとんどが真菌感染症(爪真菌症 爪真菌症 爪真菌症とは、爪の真菌感染症のことです。 ( 爪の病気の概要も参照のこと。) 約10%の人が爪真菌症にかかっており、手指の爪よりも足の指の爪に多くみられます。高齢者(特に男性)、足の血行が悪い人(末梢動脈疾患[ フットケア])、糖尿病患者( 糖尿病でみられる足の問題)、免疫機能が低下している人(病気や薬剤による)、... さらに読む )ですが、細菌やウイルスによる感染症もあります。
爪は、爪甲(ケラチンというタンパク質でできた硬い部分)と周囲の構造から構成されています。爪床は爪の下にあり、爪を指に接着しています。爪母は爪の付け根にあり、爪の成長が始まるところです。爪上皮は爪甲の根元をその後ろの皮膚につないでいます。爪半月は爪の付け根にある半月状の部分です。爪郭は、爪と皮膚が隣接する爪甲の付け根と両脇で皮膚が堅く盛り上がった部分です。
爪の病気の原因
爪の病気の原因には、以下のものがあります。
感染症(爪囲炎 急性爪囲炎 急性爪囲炎は、爪郭の細菌感染症です。 急性爪囲炎では、細菌(通常は黄色ブドウ球菌[Staphylococcus aureus]またはレンサ球菌)が、さかむけ、爪郭(爪と皮膚が隣り合う爪甲の両脇にある堅い皮膚のひだ)の外傷、爪上皮(爪の付け根の皮膚)の消失、または慢性的な刺激(水や洗浄剤によるものなど)により生じた皮膚の裂け目... さらに読む 、 後爪郭部爪刺し 後爪郭部爪刺し 後爪郭部爪刺しは、あまり一般的でない種類の爪囲炎です。 後爪郭部爪刺しは、爪甲(ケラチンというタンパク質でできた硬い部分)が爪郭に向かって伸びることで起こります。爪母と古い爪甲がずれているため、古い爪甲の下で新しい爪甲が何層にも重なって成長することがあります。新しい爪甲の成長により、古い爪は上方に押されます。... さらに読む 、 いぼ 尋常性疣贅 尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)とは、よくみられるいぼのことです。 尋常性疣贅は一般的な いぼで、 ヒトパピローマウイルスの感染によって生じます。このようないぼは、爪周囲の皮膚のどの部位にも生じる可能性があり、爪上皮(爪の付け根の皮膚)によくみられ、ときに爪の下の部分にみられることもあります。爪上皮に生じたいぼは、爪の成長に影響を及ぼ... さらに読む 、 緑色爪症候群 緑色爪症候群 緑色爪症候群は、シュードモナスという細菌によって引き起こされる感染症です。 ( 爪の病気の概要も参照のこと。) 左側の写真には、第4指の爪甲剥離症を伴う緑色爪症候群が写っており、Pseudomonas属細菌が生産する色素によって爪甲が緑色に変色しています。右側の写真には、剥離した爪甲を除去した後の爪床が写ってい... さらに読む など)
内臓の疾患(黄色爪症候群を引き起こす特定の肺疾患など)