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頭部白癬

(しらくも)

執筆者: Denise M. Aaron, MD, Dartmouth-Hitchcock Medical Center

頭部白癬は頭皮の皮膚糸状菌感染症である。

頭部白癬は,主に小児に発生する皮膚糸状菌症( 皮膚糸状菌症の概要)で,感染力が強く,流行を起こすことがある。米国ではT. tonsuransが最も頻度の高い原因菌であり,次いでMicrosporum canisM. audouiniiが多い;米国以外では他のTrichophyton属菌種 (例,T. schoenleiniiT. violaceum)の頻度が高い地域もある。

頭部白癬では,乾燥した鱗屑,脱毛,またはその両方からなる円形の斑が徐々に出現する。T. tonsuransが感染すると,毛幹が頭皮表面で折れる黒点状白癬(black dot ringworm)を呈する;M. audouiniiが感染すると,毛幹が頭皮表面より上方で折れ,短い毛の切れ端が残るgray patch ringwormを呈する。頻度は低いが,頭部白癬はフケに似たびまん性の鱗屑や,びまん性の膿疱として出現することもある。

禿瘡

皮膚糸状菌感染症は,ときに禿瘡の形成に至るが,これは皮膚糸状菌に対する重度の炎症反応により頭皮に生じた波動を伴う大きな炎症性の腫瘤である。禿瘡は膿疱および痂皮を伴うことがあり,膿瘍と誤診される可能性がある。禿瘡は瘢痕性脱毛症を残すことがある。

診断

  • 臨床的な外観

  • KOH法による直接鏡検

  • ときにウッド灯検査,ときに培養

頭部白癬の診断は,臨床的な外観と引き抜いた毛髪ならびに擦過またはブラッシングで採取した毛髪および鱗屑のKOH直接鏡検による。胞子の大きさと菌を毛幹の内部(毛内性寄生)または外部(毛外性寄生)に認めることが鑑別の基準であり,これは治療方針の参考にもなる。ウッド灯検査で青緑色の蛍光を認めれば,M. canisまたはM. audouiniiの感染と診断でき,白癬を紅色陰癬と鑑別することができる。必要であれば,引き抜いた毛髪の真菌培養を行うことができる。外観が膿瘍に似た小児の頭皮病変は,禿瘡であることがあり,必要であれば,培養が鑑別に役立つ可能性がある。

パール&ピットフォール

  • 小児の頭皮膿瘍では,排膿を行う前に禿瘡の診断を考慮する。

頭部白癬の鑑別診断には以下のものがある:

  • 脂漏性皮膚炎

  • 乾癬

治療

  • 抗真菌薬の内服

  • 硫化セレン含有シャンプー

  • ときにプレドニゾン

小児の治療は,グリセオフルビン微粉製剤の懸濁液10~20mg/kg,経口,1日1回(用量は種々の条件で異なるが最大用量は一般に1g/日)で行うか,2歳以上の場合はグリセオフルビンの超微粉製剤を5~10mg/kg (最大用量750mg/日),経口,1日1回または2分にて,4~6週間または感染徴候が全て消失するまで,食事またはミルクとともに服用させる。テルビナフィンも使用されることがある。テルビナフィンは,20kg未満の小児には62.5mg,経口,1日1回で,20~40kgの小児には125mg,経口,1日1回で,40kg以上の小児には250mg,経口,1日1回で投与する。頭部白癬が治癒するまでは,特に他の小児への感染を防止するため,イミダゾール系薬剤またはシクロピロクスのクリーム剤を頭皮に塗布すべきである;また,少なくとも週2回の頻度で,2.5%硫化セレン含有シャンプーも使用すべきである。小児は治療期間中に通学させてもよい。

成人の治療は,テルビナフィン250mg,経口,1日1回,2~4週間(毛内寄生に対してより効果的である),またはイトラコナゾール200mg,1日1回,2~4週間もしくは200mg,1日2回,1週間により行い,その後3週間の休薬を挟む投与法(パルス療法)を2~3カ月間継続する。

重度の炎症を伴う病変,および禿瘡に対しては,短期間のプレドニゾン投与を追加すべきであり(症状を軽減し,おそらく瘢痕化の可能性が低下する),その場合は40mg,経口,1日1回(小児では1mg/kg)で開始し,2週間かけて漸減する。

要点

  • 頭部白癬は,ほとんどが小児に発生し,感染力が強く,流行を起こすことがある。

  • 頭部白癬の確定診断は,KOH直接鏡検または真菌培養,ときにウッド灯検査による。

  • 治療は抗真菌薬の外用に加えて,グリセオフルビンまたはテルビナフィンの内服による。

  • 禿瘡または重度の炎症には経口プレドニゾンの短期間投与を追加する。

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