妊娠悪阻にんしんおそ

• 妊娠悪阻にんしんおそとは、妊娠中にんしんちゅうにたくさん吐はいてしまう（嘔吐おうと）ことです。

• たくさん吐はいてしまうので体重たいじゅうが減へり、脱水だっすい（体からだの中なかに十分じゅうぶんな水分すいぶんやその他たの液体えきたいがない状態じょうたい）になります。

妊娠中にんしんちゅうのある程度ていどの嘔吐おうとはよくあることです。それはよく「つわり」といわれます。つわりの場合ばあい、気分きぶんはよくありませんが体重たいじゅうは増ふえ続つづけ、体からだの水分すいぶんは十分じゅうぶんに保たもたれています。なぜひどい嘔吐おうとが起おこる女性じょせいがいるのかは、医師いしたちにも分わかっていません。

• 妊娠悪阻にんしんおそはとてもひどく、ふつうのつわりとはちがうものです。

• 輸液ゆえき（静脈じょうみゃくに直接ちょくせつ水分すいぶんを入いれる）と、ふつうは嘔吐おうとを止とめるための薬くすりが必要ひつようです。

• ふつう、妊娠悪阻にんしんおそは妊娠にんしん16～18週しゅうまでにおさまります。

• 妊娠悪阻にんしんおそが長ながい間あいだ続つづく場合ばあいやとても重おもい場合ばあいには、肝臓かんぞうに問題もんだいが起おこることがあります。

• 医師いしは血液検査けつえきけんさと尿検査にょうけんさをして、あなたが脱水状態だっすいじょうたいかどうかを見分みわけます。

• また、超ちょう音波検査おんぱけんさ（子宮しきゅうの中なかを動画どうがで見みる検査けんさ）も行おこないます。

• 超ちょう音波検査おんぱけんさは、例たとえばおなかに2人ふたり以上いじょうの赤あかちゃんがいるなどの、嘔吐おうとの理由りゆうがほかにあるかどうかを医師いしが確たしかめるのに役立やくだちます。

• 治療ちりょうは病院びょういんで行おこなわれます。

• 病院びょういんでは医師いしが静脈じょうみゃくから水分すいぶんを直接ちょくせつ与あたえます。

• ふつうは入院にゅういんで、輸液ゆえきの量りょうを増ふやし、嘔吐おうとを止とめるための薬くすりを投与とうよできるようにします。

• 嘔吐おうとが止とまったら、飲のみものを飲のみ、味あじのうすい食たべものを少すこし食たべます。

• また嘔吐おうとが始はじまったら、この方法ほうほうをまたやりなおします。

まれに、嘔吐おうとが続つづいて体重たいじゅうが減へり続つづける場合ばあいは、チューブから体からだに栄養えいようを入いれることがあります。このチューブは鼻はなからのどをとおっておなかに入はいります。

嘔吐おうとが続つづいて体重たいじゅうが減へり続つづけ、肝臓かんぞうに問題もんだいがある場合ばあいは、妊娠にんしんを終おわらせることを考かんがえたほうがよいかもしれません。この選択肢せんたくしについて、医師いしと話はなし合あうことができます。