閉経へいけい

レビュー/改訂 2021年 3月
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閉経へいけいとはなんですか?

閉経へいけいとは、おんなひと月経げっけいがなくなり、もう妊娠にんしんできなくなることです。

閉経へいけいはふつう、40さいをすぎてからこります。アメリカでは、閉経へいけいする年齢ねんれい平均へいきんでおよそ52さいです。

  • 閉経へいけい何年なんねんまえから、不規則ふきそく月経げっけいやほてりなどのいくつかの症状しょうじょうこることがあります。

  • 閉経へいけいあとほねよわくなることがあります。

  • 症状しょうじょう役立やくだくすり医師いしもいます。

閉経へいけい一気いっきこるわけではありません。だんだんと、月経げっけい頻度ひんどすくなくなっていきます。まる1ねん月経げっけいがなければ、閉経へいけいしたことになります。それまでは妊娠にんしんする可能性かのうせいがあります。あなたが妊娠にんしんしたくなければ、月経げっけいがなくなってから1年間ねんかん避妊ひにんしましょう。

閉経へいけい原因げんいんなんですか?

閉経へいけいはふつうのことで、からだとしをとるとこります。

閉経へいけいまえ何年なんねんかのあいだに、からだでつくられるエストロゲンとプロゲステロンがだんだんすくなくなります。これらは月経げっけい妊娠にんしん必要ひつようせいホルモンです。これらのホルモンがすくなくなると、卵巣らんそう卵子らんし放出ほうしゅつしなくなり、月経げっけいまります。

40さいよりまえこる閉経へいけい早発閉経そうはつへいけいといいます。早発閉経そうはつへいけいはめずらしく、原因げんいんにはさまざまな医学的いがくてき問題もんだいがあります。

閉経へいけいにはどのような症状しょうじょうがありますか?

閉経へいけいきゅうこるわけではありません。あなたはまず、つぎのようなことにづくかもしれません:

  • 不規則ふきそく月経げっけい

  • ほてり(本当ほんとうあつくないときにきゅうあつかんじてあせをかく)―ほてりは30びょうから5分間ふんかんくらいつづきます

  • あせだくになってがさめる(よるこるほてりのことで、寝汗ねあせといいます)

また、おおくのおんなひとにはつぎのような症状しょうじょうもあります:

  • 気分きぶん変化へんか

  • よくうつ

  • いらだち

  • 心配しんぱいごと

  • 睡眠すいみん問題もんだい

  • 集中しゅうちゅうできない

  • 頭痛ずつう

  • つか

これらの症状しょうじょうはたいてい1ねん以上いじょうつづきます。やがて月経げっけい完全かんぜんまり、ふつうは症状しょうじょうがよくなります。ほてりはながつづくことがあります。

閉経へいけいあと症状しょうじょうは、せいホルモンがすくなくなることによるものです。つぎのような症状しょうじょうこります:

  • ちつ乾燥かんそうする

  • 性行為せいこういへの興味きょうみすくなくなる

  • ちつ乾燥かんそうしてうすいため、性行為せいこういをするときにいたみがある

  • オルガスムにたっすることがむずかしい

  • 尿路感染症にょうろかんせんしょう(UTI)にかかりやすくなる

  • きゅう排尿はいにょうしたくなる、または尿にょうらしてしまう

  • 皮膚ひふうす乾燥かんそうし、敏感びんかんになる

  • ほねよわくなる

  • 悪玉あくだまコレステロール(LDL)がおおくなる

  • 心臓しんぞう病気びょうきになる可能性かのうせいたかくなる

医師いしはどのようにして、わたし閉経へいけいしたかどうかを判断はんだんしますか?

ふつう、閉経へいけいには検査けんさ必要ひつようありません。閉経へいけいはじまったのがはやすぎる場合ばあいは、月経げっけいまるかもしれないほかの病気びょうきがないか、医師いし調しらべます。

医師いし閉経へいけいをどのように治療ちりょうしますか?

閉経へいけい理解りかいしておくと、あなたが症状しょうじょう対処たいしょするのに役立やくだちます。閉経へいけい経験けいけんしたおんなひとやあなたの主治医しゅじいはなうことも、あなたに治療ちりょう判断はんだんするのに役立やくだつでしょう。

症状しょうじょうはホルモンがすくなくなることによってこされるため、症状しょうじょうをやわらげるにはホルモンを使つかうのがもっと効果的こうかてきです(ホルモン補充療法ほじゅうりょうほう)。しかし、ホルモン補充療法ほじゅうりょうほうには危険きけんがあるため、ふつう医師いしはまずほかの方法ほうほうためします。

ほてりの治療ちりょうとしてはつぎのものがあります:

  • ぐことができるふくかさする

  • 綿めんふく運動着うんどうぎなどの、風通かぜとおしがよく湿気しっけがすふく

  • あつ場所ばしょあかるいひかりける

  • ホルモンざいではない一部いちぶくすり使つか

尿失禁にょうしっきん治療ちりょうとしてはつぎのものがあります:

  • 尿にょうめたりしたりする筋肉きんにくつよくする運動うんどうをする

ちつ乾燥かんそう治療ちりょうとしてはつぎのものがあります:

  • ちつ潤滑剤じゅんかつざい保湿剤ほしつざい

  • 性行為せいこういつづける(ちつへの血流けつりゅうえます)

症状しょうじょうをやわらげるために薬用やくようハーブやそのサプリメント使つかおんなひともいます。サプリメントにはさまざまな種類しゅるいがあります。ほとんどのサプリメントにはそれほど効果こうかがなく、処方薬しょほうやくのように安全性あんぜんせいがよく調しらべられているものはありません。また一部いちぶのハーブやサプリメントは、あなたが使つかっているほかのくすりはたらきをさまたげる可能性かのうせいがあります。あなたがサプリメントを使つかってみようとかんがえているならば、医師いしはないましょう。

ホルモン療法りょうほう

ほかの治療ちりょうがうまくいかなければ、ホルモン療法りょうほう役立やくだつかもしれません。ただし、ホルモン療法りょうほうには長所ちょうしょ危険性きけんせいがあります。このような治療ちりょうがあなたにっているかどうか、医師いし相談そうだんしてください。

ホルモン療法りょうほうではつぎのものが使つかわれます:

  • エストロゲン

  • プロゲスチン(プロゲステロンなど)

  • その両方りょうほう併用療法へいようりょうほう

ホルモン療法りょうほうつぎのようにおこなわれることがあります:

  • くすり

  • ちつ使つかうクリーム、錠剤じょうざい、リング

  • 皮膚ひふにぬるローションやスプレー

  • 皮膚ひふるパッチざい

ホルモン療法りょうほう長所ちょうしょとしてはつぎのものがあります:

  • ほてりやちつ乾燥かんそうなどの症状しょうじょうがやわらぐ

  • 骨粗こつそしょうしょうほねよわくなる)にかかる可能性かのうせいひくくなる

  • 子宮内膜しきゅうないまくがん(子宮しきゅう内側うちがわをおおっている組織そしきのがん)にかかる可能性かのうせいひくくなる

  • 大腸だいちょうがん(大腸だいちょう下部かぶのがん)にかかる可能性かのうせいひくくなる

ホルモン療法りょうほう危険性きけんせいとしてはつぎのものがあります:

  • はいあし血栓けっせん(プロゲスチンだけの場合ばあい

  • 脳卒中のうそっちゅう

  • 子宮内膜しきゅうないまくがんにかかる可能性かのうせいたかくなる(エストロゲンだけの場合ばあい

  • にゅうがんにかかる可能性かのうせいたかくなる(3~5ねん併用療法へいようりょうほうあとまたは10ねん以上いじょうエストロゲンを使つかったあと

  • 尿失禁にょうしっきん(エストロゲンだけの場合ばあい

  • 善玉ぜんだま」(HDL)コレステロールがすくなくなる(プロゲスチンだけの場合ばあい

使つかうホルモンのりょうすくなくすると、このような危険性きけんせいひくくなる可能性かのうせいがあります。

一般いっぱんに、にゅうがん冠動脈疾患かんどうみゃくしっかんあし血栓けっせんのあるおんなひとや、脳卒中のうそっちゅうになったことがあるおんなひと、またはこれらの病気びょうきになりやすくなる要因よういんのあるおんなひとは、エストロゲンによる治療ちりょうけるべきではありません。

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