多発性硬化症たはつせいこうかしょう(MS)

レビュー/改訂 2022年 1月
プロフェッショナル版を見る
家庭版で詳しい説明を読む

多発性硬化症たはつせいこうかしょうとはどのような病気びょうきですか?

多発性硬化症たはつせいこうかしょうは、のう脊髄せきずい神経しんけいにたくさんのきずあとができる病気びょうきです。そのせいで、神経しんけいただしくはたらくことができなくなります。

  • かた問題もんだいきたり、異常いじょう感覚かんかくがしたり、動作どうさ弱々よわよわしくなったり、不器用ぶきようになったり、ものをはっきりかんがえるのがむずかしくなったりします。

  • あらわれる症状しょうじょう時期じきによってわります。

  • 症状しょうじょうはふつう、あらわれてはえるをくりかえし、症状しょうじょうきていないあいだ体調たいちょうがよいとかんじることもあります。

  • 多発性硬化症たはつせいこうかしょうは、時間じかんとともにわるくなっていく傾向けいこうがあります。

  • のう脊髄せきずいMRI検査けんさ結果けっかから診断しんだんされます。

  • いくつかの種類しゅるいくすりやくちますが、この病気びょうきなおせる治療法ちりょうほうはありません。

  • 多発性硬化症たはつせいこうかしょうは、からだ障害しょうがいこすことがありますが、ほとんどのひとは、健康けんこうひとおなじくらいの年齢ねんれいまできることができます。

多発性硬化症たはつせいこうかしょう原因げんいんなんですか?

医師いしにも多発性硬化症たはつせいこうかしょう原因げんいんはわかりません。しかし、ほとんどの医師いしは、免疫めんえき仕組しくみが自分じぶんからだ組織そしきそとからはいってきたものとみなして攻撃こうげきするためとかんがえています。これを自己免疫反応じこめんえきはんのうといいます。多発性硬化症たはつせいこうかしょうでは、免疫めんえきによってのう脊髄せきずい神経しんけい攻撃こうげきされてきずつきます。

多発性硬化症たはつせいこうかしょうにはどのような症状しょうじょうがありますか?

多発性硬化症たはつせいこうかしょうでは、さまざまな神経しんけい攻撃こうげきされるため、あらわれる症状しょうじょうひとによってちがいます。また、症状しょうじょうあらわれてえるパターンもさまざまです。

ふつう、多発性硬化症たはつせいこうかしょう症状しょうじょうきゅうあらわれ(急性増悪きゅうせいぞうあくといいます)、それからおさまります(寛解かんかいといいます)。ふつうは、急性増悪きゅうせいぞうあく急性増悪きゅうせいぞうあくあいだ健康状態けんこうじょうたいがよくなります。ほとんどのひとは1~2ねんに1かいしか急性増悪きゅうせいぞうあくこしませんが、それよりおおくなることもあります。毎回まいかいからだのちがう部位ぶいこる場合ばあいもあります。急性増悪きゅうせいぞうあく数日すうじつからすうげつつづきます。

時間じかんがたつにつれ、急性増悪きゅうせいぞうあく急性増悪きゅうせいぞうあくあいだ症状しょうじょう完全かんぜんおさまらなくなることがあります。ひとによっては、症状しょうじょうがずっとおさまらないこともあります。症状しょうじょうのパターンがどのようなものであれ、多発性硬化症たはつせいこうかしょうはゆっくりと悪化あっかしていく傾向けいこうがあります。

多発性硬化症たはつせいこうかしょう最初さいしょのころによくきる症状しょうじょうとしては、つぎのものがあります:

  • うであしむね背中せなか、またはかお一部いちぶにピリピリするかんじや、しびれがきる

  • うであしちからはいらない、うまくうごかせない、こわばる

  • 盲点もうてん、かすみ、または一方いっぽううごかしたときのいた

最初さいしょのころにきるそのほかの症状しょうじょうとしては、つぎのものがあります:

  • 複視ふくし(1つのものが2つにえること)

  • なにかにふれたときや、くびげたときに、背中せなかあし、またはうで突然とつぜんけるようないたみや感電かんでんしたようないたみが

あとからあらわれてくる症状しょうじょうとしては、つぎのものがあります。

  • ふるえのような不規則ふきそくからだうご

  • からだ一部いちぶまたは全体ぜんたいうごかせない

  • いたみをともなった筋肉きんにくのけいれんがき、筋肉きんにくちからはいらない

  • バランスをとれなくなり、あるくのがむずかしい

  • つかれや脱力感だつりょくかん

  • はなかたがゆっくりになり、ろれつがまわらない

  • よくうつや気分きぶんのゆらぎ

  • かんがえること、おぼえること、注意ちゅういはらうこと、なにかをめることがむずかしい

  • めまい

  • 排尿はいにょう排便はいべんをがまんできない

あつねつているときなど、あつかんじているときに、症状しょうじょうわるくなることがあります。

医師いしはどのようにして、わたし多発性硬化症たはつせいこうかしょうかどうかを判断はんだんしますか?

多発性硬化症たはつせいこうかしょうかどうかを判断はんだんするのは、むずかしい場合ばあいがあります。医師いしは、あなたの症状しょうじょうと、ふつうはつぎ検査けんさ結果けっかから、多発性硬化症たはつせいこうかしょう診断しんだんします:

医師いし多発性硬化症たはつせいこうかしょうをどのように治療ちりょうしますか?

症状しょうじょう急性増悪きゅうせいぞうあくたいする治療ちりょうのために、医師いしつぎのものを使つかいます:

  • コルチコステロイドというくすり

もしコルチコステロイドがかなければ、医師いし血漿交換けっしょうこうかんという血液けつえき治療ちりょうためすことがあります。

症状しょうじょう急性増悪きゅうせいぞうあく予防よぼうするために、医師いしはいくつかのくすり使つかって、免疫めんえきによって神経しんけい攻撃こうげきされないようにします。

ほかにも、筋肉きんにく緊張きんちょう、ピリピリするかんじ、つかれ、よくうつなど、それぞれの症状しょうじょう治療ちりょうするためのくすり使つかうことがあります。

つぎのような方法ほうほうで、生活せいかつらくにし、からだ障害しょうがい予防よぼう役立やくだてることができます:

  • 活動的かつどうてき生活せいかつする

  • 理学療法りがくりょうほうをする

  • できるだけなが自力じりきあるくようにする

  • あついお風呂ふろやシャワーなど、ねつける

  • タバコをわない

  • ビタミンDのサプリメントを

多発性硬化症たはつせいこうかしょうかんするくわしい情報じょうほうはどこにありますか?

quizzes_lightbulb_red
医学知識をチェックTake a Quiz!
ANDROID iOS
ANDROID iOS
ANDROID iOS