血栓は、切り傷からの出血を止めるために血液の中でつくられるかたまりです。血栓は、凝固のための特別な物質と血小板(とても小さな血液の細胞)でできています。
切り傷が治ると、血液中のほかの物質によって、血栓は溶かされます。血液には、たがいに協力して血栓をつくったり溶かしたりする、さまざまな物質が含まれています。
凝固亢進状態とは何ですか?
凝固亢進状態とは、血液が簡単に固まったり、必要以上に固まったりするようになった状態のことです。血栓は、けがをしたときに出血を止めてくれる、よいものです。しかし、出血が起きていないときにできる血栓は、危険になる可能性があります。
凝固亢進状態の原因は何ですか?
ふつうは、血液に含まれている凝固のための物質のどれかに問題があります:
ときには、凝固のための物質の1つが過剰に反応することもあります。
ときには、血栓を溶かす物質の1つが十分に反応しないこともあります。
その問題はふつう、起きやすい体質が家族の中で受けつがれるものです。
ときには、がんなどの病気や免疫系の異常によって、凝固のための物質が過剰に活性化することもあります。
ほかにも、凝固亢進状態になる危険性を高める要因があります:
ベッドの上で休んでいるときや、車や飛行機に長時間乗っているときなど、十分に動き回れていないこと
大きな手術を受けること(特に下半身が対象に含まれる場合)
太りすぎ
妊娠していること、または経口避妊薬を飲んでいること
凝固亢進状態にはどのような症状がありますか?
医師はどのようにして、私が凝固亢進状態かどうかを判断しますか?
血栓ができていて、がんや大きな手術など、血栓の原因になることが知られている問題がほかになければ、医師は血液の凝固に異常がある可能性を疑います。
医師は、以前に血栓ができたことがあるかどうかと、家族の中に凝固の異常がある人がいないかどうかを質問します。
そして血液検査をして、凝固のための物質と血小板の量を測定します。
医師は凝固亢進状態をどのように治療しますか?
治療法は血栓ができた場所によって変わってきますが、ふつうは医師は次のことをします:
血液をサラサラにする薬をあなたに飲んでもらう
タバコをやめることや体重を減らすことなど、血栓ができる危険性を減らすための対策をあなたにしてもらう
凝固亢進状態になる危険性を高める医学的な問題があれば、それを治療する